展示お知らせ、あるいは名コンビ

すでに展示期間に入ってしまいましたが、展示のお知らせです。

Analytic Limits
遠山陽子/福田幸久/佐藤譲

2009.1.28(wed)-2.22(sun)
13:00-21:00/火-土 13:00-19:00/日 closed on Monday
opening reception 1.31 18:00-


AISHO MIURA ARTS  http://aishomiura.com


最近は、上記のグループ展に出す作品の制作で、身体にムチを打つような日々が続いていた(いつもだらしない僕なので、おおげさな表現になっています)。そんな中、3日に一度の夢の中や、職場でうたた寝しかけている時に同じ男女二人が出現してくるという変な体験が起こっている。その男女二人とは、一月初めに渋谷で見た映画「白い指の戯れ」の名コンビ、伊佐山ひろ子荒木一郎だ。夢のなかに何回も出てくるぐらい、僕にとってとても強烈で忘れがたいコンビだったのだろう。伊佐山ひろ子はちっとも美人でもなくどっちかというとブスなほうなのだが、ニヒルスティックで投げやりな姿をしばらく見続けていると何故か可愛いく見え、抱きしめたくなるような不思議な味わいがある。荒木一郎は映画の半ば辺りから、スリ仲間である伊佐山の彼が捕まったあと、替わりに伊佐山の前に現われるのだが、映画のスクリーンに初めて荒木一郎が出現するシーンはあまりにもカッコよすぎて鳥肌総立ちしたものだった。荒木のファッションは現在だったら、ダサい格好(Gジャンにラッパズボン、頭はポマードをつけないちょっとふぁっとした七三分けで青いサングラス)なはずなのに、どういうわけか全部がカッコよく見えたのだ。一挙一足全てが流麗な動きをなしている。特に残酷な面を時々見せるクールな表情が素晴らしい。ハンフリー・ボカードやクリント・イーストウッドにも劣らない日本人の俳優がいたのだという驚きは僕にとって最近の幸福な出来事だ。これからも日本映画では伊佐山ひろ子荒木一郎の自然体ニヒリズムカップルを超えるコンビは出現しないだろう。