2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

不条理なエロス

藤田敏八の「八月はエロスの匂い」を観る。掛け値無しの傑作。 デパートの売り子である主人公は、勤務中に手に傷を負わせた強盗と偶然再会し衝動心から後を追って、しまいには情交を結んでしまうのだが、その一連の流れに漂う不条理さには、強烈なカウンター…

マルレーネ・デュマス

都心から離れた陸の孤島という感じがしないでもない目的の場所にたどり着くと、やたらと図体がでかいハコモノ建築物が灰色の景色からヌッと現れる。先日観たロマンポルノ映画の残像がまだ脳に焼きついたまま、会場に入ると、「あれっ?俺はまだ続きを見てい…

日活ロマンポルノ

60年代後半から日本映画界は斜陽期に差し掛かり、各映画会社のスタジオシステムが崩壊するなかで、日活は成人映画というジャンルに社運を賭け、日活ロマンポルノという路線でプログラムピクチャーズを辛うじて維持できた。(それもAVが台頭する80年代…

F・カストロとO・ストーン

革命の父フィデル・カストロとハリウッドの怪物オリバー・ストーンのコンビはすごい。車の後部席で体を密着させながらジョークを言い合ったり、並列に置かれた椅子に二人そろってもたれ掛ける光景は、ただの酔っ払いオッサンの絡み合いにしかみえない。(0…